樋口三郎の授業情報@龍谷大学先端理工学部数理・情報科学課程

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龍谷大学 manaba course の追加機能「個別指導コレクション」の説明会に参加 - eポートフォリオ的なもの

龍谷大学のLMSであるmanaba courseに, 学修支援・教育開発センターの主導により, オプション機能「個別指導コレクション」が, 2018年度から追加されるそうです. すでに使用可能になっています.

マニュアルも近々出るのでしょうが, 2018-03-13火の説明会

テーマ:manaba courseの新機能「個別指導コレクション」の説明と利用方法の紹介
  「個別指導コレクション」は、実習系科目における報告書のやりとりや、ゼミでの論文指導、
 キャリア相談、課外活動のフィードバックなど、様々な用途で使用することができます。 
 当日は学生カルテのサンプルを用いて具体的な利用方法をご提示します。

でうかがったことを樋口が解釈すると次のようになります.

機能

  • 個別指導コレクションでは, コースの教員と, 各学生が1対1で(添付ファイル付き)コメントを繰り返すことができます(だから個別指導).
  • その経過がすべて学生の(manaba courseでいう)ポートフォリオに残ります(だからコレクション*1 ). ただし, この経過をコースの教員と当該学生以外と共有したり, コメントを受けたりすることはできません.
  • 個別指導コレクションは, 各コース内に設置済みで教員が有効無効を選べません. 当初からコースページ内にリンクがあります. 通常は教員から会話を始めますが, 教員による設定で, 「学生による個別指導コレクションの追加・編集を許可」すれば, 学生から会話を始められます. これにより, 教員のコメントを求めるかどうかはともかく, 学生が自発的にアーティファクトを集積していくことに利用することができます(だからコレクション).

manaba course の他の機能との比較

  • manaba course のプロジェクトで学生1人のチームを作った場合との違い: 個別指導コレクションでは, 最終的な提出物だけでなく途中のコメントや添付も(強制的に)ポートフォリオに残ります. チーム外との共有はできません. 成績をつけることはできません. 教員が個別に設定しなくても使用できます.
  • manaba course のレポートとそれに対するコメントとの違い: レポートでは提出物に対するコメントですが, 個別指導コレクションでは, 特定の対象は必要ありません. 共有はできません. 成績をつけることはできません. ポートフォリオに残さない選択肢はありません. 教員が個別に設定しなくても使用できます.

Moodle での対応する機能

  • Moodle のフォーラムを学生1名ずつからなる分離グループとした場合*2に似ています. ただし, 個別指導コレクションは各コースに最初から設置済みです. また Moodle にはデフォルトではコース横断的なポートフォリオの機能はありません.

manaba.jp

*1:姉妹製品の manaba folio では, ポートフォリオ(の中の区分される一部分?)をコレクションと呼びます

*2:Journal, Dialogue活動プラグイン

龍谷大学 manaba course のコースに科目履修登録者以外の参加者を追加する方法

龍谷大学 manaba course には, すべての授業科目に対応したコースが学期ごとに作られ, 学務システムの履修登録が毎日反映して学生がコースに登録される.

manaba のユーザは下の通りだそう.

  • メディア教育支援サイトは終了いたしました

    対象者 学部生、大学院生、留学生別科生
    授業担当教員(非常勤講師含)
    事務職員
    ※特別専攻生、研究生、科目等履修生、単位互換生は原則利用できません。ただし、科目等履修生、単位互換生につきましては、各キャンパスの情報メディアセンターにて、以下の申請を行うことで、利用可能となります。
    科目等履修生:全学統合認証IDの発行申請
    単位互換生:全学統合認証ID発行および受講する科目の申請

しかし, 授業科目は担当教員と学生だけで成立するわけではない. 学内/学外のTAや教育補助員, ゲストスピーカーなどが manaba course の科目のコースに参加するのが適切な場合もあるだろう.

また, ゼミのように, 学務システム上に存在する科目1個と対応するわけではない学習コミュニティで manaba course のコースを利用したい場合もあるだろう.

ここでは, 過去の記事*1を更新し, 既存のコースに履修登録した学生でないユーザを追加する方法, manaba course のコースを新設する方法を説明する

以下いずれも, 教員が, 学部教務課の「manaba担当」の事務職員の方に依頼して, 所属長=学部教務課長と manaba担当者の印を押した申請書を, 教務課から情報メディアセンターに送っていただくことで実行する*2. 様式は学部教務課にファイルで備えられている. 情報メディアセンターに届いた後は1日程度で反映されるよう.

1. manaba course そのものにユーザ登録のない人をユーザ登録する

→ [様式1]manaba course 臨時ユーザ利用申請書

ユースケース

学外のTAや教育補助員, ゲストスピーカー.

なお, 特別専攻生、研究生、科目等履修生、単位互換生については, 上記の様式によらず, (教員ではだめで)本人が情報メディアセンターに行って上記の「全学統合認証IDの発行申請」等を行えばよい.

2a. 科目に対応する, 既存の manaba course のコースに, もとからのユーザや, 1で登録されたユーザを追加する

→ Update(2019-09-01) コース設定 > コースメンバー登録 で教員の操作だけで行えるようになった. [様式2]manaba course 正規授業外コース利用申請書 を申請区分=修正 で.

ユースケース

なお, 複数コースのユーザを統合して1コースにまとめる目的なら, 申請なしで教員がコース上で行える, コースリンクを行うほうが簡単.

2b. 科目に直接は対応しない, 新規の manaba course のコースを作成し, もとからのユーザや, 1で登録されたユーザを追加する

→ [様式2]manaba course 正規授業外コース利用申請書 を申請区分=新規登録で.

ユースケース

  • 正規授業と無関係な学習活動等に使う場合.
  • 教員-事務職員-学生で English Lounge 運営に使われた(使われている?)例があるそう.
  • 正規授業に対応するコースは学期ごとにリセットされる(消去はされないがアーカイブされて閲覧のみになる)のに対し, ここで申請したコースはリセットされない(ようにできる). たとえば, ゼミ, 研究室活動用のコースを年度をまたいで継続したい場合には, この申請によりコースを作成するのが便利.

*1:龍谷大学 manaba course の科目にはTAや履修登録していない学生等も登録できる - 樋口三郎の授業情報@龍谷大学理工学部数理情報学科

*2:情報メディアセンター(メディア)に, 教員から直接でなく, 教務課経由でする届というのは初では? この制度設計は…

2016年度理工学部FD報告会参加レポート manaba course

昨年度に続いて, 理工学部FD報告会では朝日ネットのインストラクタ(?)の方をお招きして manaba course の話.

理工学部 FD報告会 / FD研修会 参加レポート - 樋口三郎の授業情報@龍谷大学理工学部数理情報学科

今年度は, 計算機実習室を会場にしてワークショップ形式で. manaba course の小テストはまったく使っていませんでしたが, 今回の説明でだいぶ様子がわかりました.

Moodle などの LMS では, 小テスト Quiz と 問題(バンク) Question (Bank) の2つの階層になっていることが多いですが, それと対比してみると. manaba では 1階層方式と2階層形式が混在しています.

  • manaba course で小テストとよばれるものは, (狭義の)小テスト形式とドリル形式に分けられる.

    • 狭義の小テスト形式では, 1階層で, 1個の小テストは1個のHTMLファイルで表現される. HTMLファイルの中に, 問題(や正解)が1ブロックとして書かれる. manaba のアンケートと同じ作り.

    • ドリル形式では, 2階層で, コースにひとつのドリル形式専用のQuestion Bankがあり, そこから複数のドリルを作成できる. この各 item は小テスト形式としては出題できない.

Moodle でも, Feedback や Questionnaire は manaba の小テストのような1階層の(item bankはない)モデルですよね. 外側だけ見ている人としては, これらは Quiz の特殊なものとして2階層で実現することもできるように思えてしまいます.

「学期半ば」「学期初め」の授業アンケートを manaba で行うには

2016年度前期末から, 全学の「学生による学期末授業アンケート」は manaba course 上の専用アンケート機能を用いて行われるようになりました.

学修支援・教育開発センターでは, 「学期初め」「学期半ば」のアンケートも推奨しており, 設問例と用紙を配布しています(manaba上のアンケートは提供されていません). これを manaba で行うには, 全学レベルでなく, 各教員がmanabaの各クラス内にアンケートを設置すればいいです, 以下は設定ファイルの例です. 当然, 結果は教員(と設定すれば学生)のみが閲覧でき, 学修支援・教育開発センターには送られません.

学生個別のファイル(添削済答案や紙のレポートなど)を manaba course で教員が学生に返却・学生のポートフォリオに保存する方法

龍谷大学がLMSとして導入しているmanaba courseのレポート機能では, 教員がレポート課題を設定して, 学生さんにファイルを提出してもらうことができます.

manabaのレポート課題の一括代理提出機能を使うと, 教員が学生別に用意したファイルを, 学生さんに個別に渡すこともできます.

http://www2.chuo-u.ac.jp/com/manaba/manual-course2.83-teacher-ja.pdf

この機能の本来の用途は, レポートを学生がアップロードする代わりに, 紙で受け取ってまとめてスキャンしたファイル, メールなどmanaba外で受け取ったファイルを教員が代理で一括してmanabaにアップロードする, ことです. しかし, 添削した紙答案やレポートを返却する, 教員が学生別の成績表を配布する, などにも使えます. さらに, 他の学生にも閲覧可/不可に設定したり, コメントを交換したりすることもできます.

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以下, 試験の紙答案を採点して返却する場合を例にした, Windowsでの手順のstep by step の説明なのですが, まず大注意: 何があっても責任持てません. *1 (2017-05-21追記. Moodleでも似たようなことはできます*2 ).

準備

手順

  1. 答案用紙をデザイン, 印刷します.
    • 全員が同じ枚数の答案用紙を提出する(白紙を含んでもいい)ようにします.
    • 先頭ページが他のページと一目で区別できるようにします.
    • 先頭ページに学生の名前の記入欄があるようにします.
  2. 試験を実施します. 回収するときに学籍番号順にソートする必要はありませんが, 1人の答案の全ページが正しい順に一続きになっているようにします.
  3. 採点など記入を行います.
  4. 紙の束の上から, 学生の学籍番号をCSVファイルに手書きします. だいたい下何桁かタイプして, あとはExcelなどを使って補完すれば楽でしょう. CSVファイル(list.csvとするか, バッチファイル内の指定を修正します)は, 下のようになっていることを想定します*3

     t111234
     t103456
     t103281
     ...
    
  5. ドキュメントスキャナにかけて(必ず両面スキャンするようにして1名あたりのページ数を一定にする)全体を1個のPDFファイルにします. report_all.pdf とするか, バッチファイル内の指定を修正します. これを空のフォルダ(C:\workとしましょう)に置きます.

  6. manaba course にレポート課題を設けます
  7. レポート>管理>一括代理提出で圧縮ファイルをフォルダc:\workにダウンロードします.
  8. 圧縮ファイルを解凍します. report_upload フォルダが作られ, その中に, t103281#学生名1, t103456#学生名2 のようなサブフォルダができます. ここは龍谷大学の設定に依存していると思われます.
  9. 以下2ステップでは, PDFファイルを学生別に分割し, 対応するサブフォルダに置きます.バッチファイルをc:\workにおいて編集し, delta, s,e の値を設定します. delta=5, s=1, e=4なら, 1–4ページをt111234, (1+5)–(4+5)ページをt103456に, … 返却することを意味します. すべてのページを返却するなら deltaと eの値は一致します.
  10. コマンドプロンプトを開き, カレントフォルダc:\workに移動し, バッチファイルを実行します. すると, 各学生用サブフォルダ内に 各学生用のreport.pdf ができます. 別のファイル名にしたい場合はバッチファイル内の指定を修正します.

     c:
     cd \work
     distpdf
    
  11. 慎重にするなら, この段階で各サブフォルダに意図したファイルが収められているか確認します.

  12. report_upload フォルダを圧縮(zip)します. 右クリックのコンテクストメニューから「圧縮する」で.
  13. 圧縮したファイルを, レポート>管理>一括代理提出 からアップロードします. 追記: 提出日はアップロードした日になります. 非公開なレポートにアップロードした場合でも, 自動的に公開に変更になり, この場合専用のリマインダ(Subject:manaba - ファイル配布のお知らせ, Body:[科目名]でファイルが配布されました … 科目名課題名)が送られます.

distpdf.bat の内容

python

樋口はふだんは OS Xpython scriptでやってます. これは, ファイルを分割して学籍番号をファイル名にするところまでをやります. 引数の意味(オフセット)も異なります.

一定ページ数の複数文書が連結されたPDFファイルをpdftkで分割して, 標準入力からリストとして与 …

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*1:以下の方法は, 現在の manaba course の振舞いと龍谷大学での設定に基づいています. またバッチファイル内では学籍番号が正しいか, 受講者かどうかなどのチェックを行っていません. 何か間違いが起こると, 返却しようとしている/返却済みのレポートを誤って消去したり, ある人のレポートを他の人に返却してしまったりするかもしれません. 各自の責任でご利用ください. manaba で一括代理提出によってファイルを間違えて返却したとき, 取り消してファイルを削除するには, レポート課題をコースから削除するのではなく, 個々の学生に「課題を再提出させる」だそうです.

*2:Moodle(3.1以降?)でも, 教員が学生のかわりに提出ファイルをアップロードすることができます. デフォルトではどの role にも与えられていない capability assign:editothersubmission が必要です, ファイルを1個ずつに手作業でアップロードすることになります. 一方, Moodle では教員がファイルでフィードバックを返すことができます(典型的には, 学生が提出したWordの文書ファイルに校閲機能で加筆するみたいなことですね)が, このフィードバックファイルは, まとめてzipファイルとしてアップロードすることができます. 課題モジュールの「複数フィードバックファイルをZIPでアップロードする」

*3:コンマで区切って点数のような2個目以降のフィールドがあってもかまいません

龍谷大学「学生による学期末の授業アンケート」を manaba course で

学期末の授業アンケートは, 全学で, 2016年度前期末から, Web 上の manaba course で行っています.

  • 各科目=コース内のアンケートでなく, トップの「2016年度第1学期 学生による学期末の授業アンケート」で. 授業中に限らず, いつでもどの科目にも回答できます. 定期試験終了まで.

「学生による学期末の授業アンケート」 | 学修支援・教育開発センター

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学生による学期半ばの授業アンケートを manaba course のアンケート機能で

龍谷大学では, 2016-05-27-2016-06-09の期間に, 各科目で「学生による学期半ばの授業アンケート」を行うことになっている. 紙のアンケート用紙が配布されるが, 設問も媒体も, 各教員が紙やWebの独自のものを使ってもよい.

龍谷大学では manaba course を導入し, 全科目にクラスが最初から設定されているので, manaba でアンケートをしようというのは当然の発想.

manaba のアンケート機能を使って作ったのが下の例.

スマホ

PC版

設定用ファイル

アンケート > インポートから

教員用マニュアル

http://manaba.jp/doc/course2-manual/manual-course2.86-teacher-ja.pdf#page=18

manaba course のアンケートタイプ出席カードで匿名アンケート

アンケート機能を使うと, 自動的に記名アンケートになる. manaba course で匿名のアンケートをするには, アンケートタイプの出席カードを使って, 「匿名で送信」するしかない. 下の記事が参考になるかも.

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教員用マニュアル

https://manaba.ryukoku.ac.jp/ct/page_160338c160334_2684368351_160398/%E5%87%BA%E5%B8%AD%E6%A9%9F%E8%83%BD%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%EF%BC%88%E6%95%99%E5%93%A1%E7%89%88%EF%BC%89.pdf?view=full#page=4

Moodle でアンケート

manaba course 以外にもアンケートを行うツールは多数ある. 下は LMS である https://moodle.media.ryukoku.ac.jp を使う例の説明. 龍谷大学Moodleはまずコース設置の届が必要. 他に, Google AppsGoogle Forms などもありうるだろう.

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