樋口三郎の授業情報@龍谷大学先端理工学部数理・情報科学課程

樋口三郎の授業情報@龍谷大学先端理工学部数理・情報科学課程

龍谷大学の全学レベルでeポートフォリオ Mahara を導入 --- Mahara Mobile アプリも使用可能

Maharaニュージーランド発のオープンソースのeポートフォリオ*1. 日本国内の大学で全学レベルで導入しているところも多いが, 2019年4月からは龍谷大学も試行的に導入してる.

mahara.e-campus.ryukoku.ac.jp

授業での使用方法は全学レベルではデザインされていなくて, 学生さんが使ってもよい, 使う授業があれば使ってよい, 状態.

樋口は総合演習計算科学☆実習応用プログラミング☆実習などで自前の Mahara を使っていたことがあるが, 2020年度からの先端理工学部の科目でどう使うか…

hig3r.hatenadiary.com

学生力を高めるeポートフォリオ ―成功への再始動―

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教育分野におけるeポートフォリオ (教育工学選書 II)

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eポートフォリオ入門―Maharaでつくる

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Mahara Mobile アプリ

ページのレイアウトはPCでやるのがいいでしょうが, 日誌やフィードバックは, 何か起きた瞬間にモバイルアプリからするほうが便利. 龍谷大学の Mahara も Mahara Mobile アプリ経由で使えます.

Mahara Mobile

Mahara Mobile

apps.apple.com

play.google.com

*1:Moodleの従兄弟

龍谷大学 manaba course の追加機能「個別指導コレクション」の説明会に参加 - eポートフォリオ的なもの

龍谷大学のLMSであるmanaba courseに, 学修支援・教育開発センターの主導により, オプション機能「個別指導コレクション」が, 2018年度から追加されるそうです. すでに使用可能になっています.

マニュアルも近々出るのでしょうが, 2018-03-13火の説明会

テーマ:manaba courseの新機能「個別指導コレクション」の説明と利用方法の紹介
  「個別指導コレクション」は、実習系科目における報告書のやりとりや、ゼミでの論文指導、
 キャリア相談、課外活動のフィードバックなど、様々な用途で使用することができます。 
 当日は学生カルテのサンプルを用いて具体的な利用方法をご提示します。

でうかがったことを樋口が解釈すると次のようになります.

機能

  • 個別指導コレクションでは, コースの教員と, 各学生が1対1で(添付ファイル付き)コメントを繰り返すことができます(だから個別指導).
  • その経過がすべて学生の(manaba courseでいう)ポートフォリオに残ります(だからコレクション*1 ). ただし, この経過をコースの教員と当該学生以外と共有したり, コメントを受けたりすることはできません.
  • 個別指導コレクションは, 各コース内に設置済みで教員が有効無効を選べません. 当初からコースページ内にリンクがあります. 通常は教員から会話を始めますが, 教員による設定で, 「学生による個別指導コレクションの追加・編集を許可」すれば, 学生から会話を始められます. これにより, 教員のコメントを求めるかどうかはともかく, 学生が自発的にアーティファクトを集積していくことに利用することができます(だからコレクション).

manaba course の他の機能との比較

  • manaba course のプロジェクトで学生1人のチームを作った場合との違い: 個別指導コレクションでは, 最終的な提出物だけでなく途中のコメントや添付も(強制的に)ポートフォリオに残ります. チーム外との共有はできません. 成績をつけることはできません. 教員が個別に設定しなくても使用できます.
  • manaba course のレポートとそれに対するコメントとの違い: レポートでは提出物に対するコメントですが, 個別指導コレクションでは, 特定の対象は必要ありません. 共有はできません. 成績をつけることはできません. ポートフォリオに残さない選択肢はありません. 教員が個別に設定しなくても使用できます.

Moodle での対応する機能

  • Moodle のフォーラムを学生1名ずつからなる分離グループとした場合*2に似ています. ただし, 個別指導コレクションは各コースに最初から設置済みです. また Moodle にはデフォルトではコース横断的なポートフォリオの機能はありません.

manaba.jp

*1:姉妹製品の manaba folio では, ポートフォリオ(の中の区分される一部分?)をコレクションと呼びます

*2:Journal, Dialogue活動プラグイン

学生個別のファイル(添削済答案や紙のレポートなど)を manaba course で教員が学生に返却・学生のポートフォリオに保存する方法

龍谷大学がLMSとして導入しているmanaba courseのレポート機能では, 教員がレポート課題を設定して, 学生さんにファイルを提出してもらうことができます.

manabaのレポート課題の一括代理提出機能を使うと, 教員が学生別に用意したファイルを, 学生さんに個別に渡すこともできます.

http://www2.chuo-u.ac.jp/com/manaba/manual-course2.83-teacher-ja.pdf

この機能の本来の用途は, レポートを学生がアップロードする代わりに, 紙で受け取ってまとめてスキャンしたファイル, メールなどmanaba外で受け取ったファイルを教員が代理で一括してmanabaにアップロードする, ことです. しかし, 添削した紙答案やレポートを返却する, 教員が学生別の成績表を配布する, などにも使えます. さらに, 他の学生にも閲覧可/不可に設定したり, コメントを交換したりすることもできます.

hig3r.hatenadiary.com

以下, 試験の紙答案を採点して返却する場合を例にした, Windowsでの手順のstep by step の説明なのですが, まず大注意: 何があっても責任持てません. *1 (2017-05-21追記. Moodleでも似たようなことはできます*2 ).

準備

手順

  1. 答案用紙をデザイン, 印刷します.
    • 全員が同じ枚数の答案用紙を提出する(白紙を含んでもいい)ようにします.
    • 先頭ページが他のページと一目で区別できるようにします.
    • 先頭ページに学生の名前の記入欄があるようにします.
  2. 試験を実施します. 回収するときに学籍番号順にソートする必要はありませんが, 1人の答案の全ページが正しい順に一続きになっているようにします.
  3. 採点など記入を行います.
  4. 紙の束の上から, 学生の学籍番号をCSVファイルに手書きします. だいたい下何桁かタイプして, あとはExcelなどを使って補完すれば楽でしょう. CSVファイル(list.csvとするか, バッチファイル内の指定を修正します)は, 下のようになっていることを想定します*3

     t111234
     t103456
     t103281
     ...
    
  5. ドキュメントスキャナにかけて(必ず両面スキャンするようにして1名あたりのページ数を一定にする)全体を1個のPDFファイルにします. report_all.pdf とするか, バッチファイル内の指定を修正します. これを空のフォルダ(C:\workとしましょう)に置きます.

  6. manaba course にレポート課題を設けます
  7. レポート>管理>一括代理提出で圧縮ファイルをフォルダc:\workにダウンロードします.
  8. 圧縮ファイルを解凍します. report_upload フォルダが作られ, その中に, t103281#学生名1, t103456#学生名2 のようなサブフォルダができます. ここは龍谷大学の設定に依存していると思われます.
  9. 以下2ステップでは, PDFファイルを学生別に分割し, 対応するサブフォルダに置きます.バッチファイルをc:\workにおいて編集し, delta, s,e の値を設定します. delta=5, s=1, e=4なら, 1–4ページをt111234, (1+5)–(4+5)ページをt103456に, … 返却することを意味します. すべてのページを返却するなら deltaと eの値は一致します.
  10. コマンドプロンプトを開き, カレントフォルダc:\workに移動し, バッチファイルを実行します. すると, 各学生用サブフォルダ内に 各学生用のreport.pdf ができます. 別のファイル名にしたい場合はバッチファイル内の指定を修正します.

     c:
     cd \work
     distpdf
    
  11. 慎重にするなら, この段階で各サブフォルダに意図したファイルが収められているか確認します.

  12. report_upload フォルダを圧縮(zip)します. 右クリックのコンテクストメニューから「圧縮する」で.
  13. 圧縮したファイルを, レポート>管理>一括代理提出 からアップロードします. 追記: 提出日はアップロードした日になります. 非公開なレポートにアップロードした場合でも, 自動的に公開に変更になり, この場合専用のリマインダ(Subject:manaba - ファイル配布のお知らせ, Body:[科目名]でファイルが配布されました … 科目名課題名)が送られます.

distpdf.bat の内容

python

樋口はふだんは OS Xpython scriptでやってます. これは, ファイルを分割して学籍番号をファイル名にするところまでをやります. 引数の意味(オフセット)も異なります.

一定ページ数の複数文書が連結されたPDFファイルをpdftkで分割して, 標準入力からリストとして与 …

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*1:以下の方法は, 現在の manaba course の振舞いと龍谷大学での設定に基づいています. またバッチファイル内では学籍番号が正しいか, 受講者かどうかなどのチェックを行っていません. 何か間違いが起こると, 返却しようとしている/返却済みのレポートを誤って消去したり, ある人のレポートを他の人に返却してしまったりするかもしれません. 各自の責任でご利用ください. manaba で一括代理提出によってファイルを間違えて返却したとき, 取り消してファイルを削除するには, レポート課題をコースから削除するのではなく, 個々の学生に「課題を再提出させる」だそうです.

*2:Moodle(3.1以降?)でも, 教員が学生のかわりに提出ファイルをアップロードすることができます. デフォルトではどの role にも与えられていない capability assign:editothersubmission が必要です, ファイルを1個ずつに手作業でアップロードすることになります. 一方, Moodle では教員がファイルでフィードバックを返すことができます(典型的には, 学生が提出したWordの文書ファイルに校閲機能で加筆するみたいなことですね)が, このフィードバックファイルは, まとめてzipファイルとしてアップロードすることができます. 課題モジュールの「複数フィードバックファイルをZIPでアップロードする」

*3:コンマで区切って点数のような2個目以降のフィールドがあってもかまいません

MOF2015 Chiba = Mahara Open Forum 2015 at 放送大学 参加レポート

学修支援・教育開発センター2015年度指定研究プロジェクトの任務として, Mahara と ePortfolio の会議, Mahara Open Forum 2015 (2015-10-10,11)に参加させていただいた. 龍谷大学では, 学部別, 教職やキャリアや留学などの目的別, 教員・科目レベルのポートフォリオはいくつか導入されているが, 全学レベルの包括的な学生ポートフォリオは未導入なので, 情報収集してこいという指令.

eport.f-leccs.jp

プロシーディングズ講演の動画も一般公開されているので, ここで要約を再生産することにはあまり意味がないのだが, 樋口の理解したところではこんな講演.

  • 「Mahara15.10について」 2015年10月後半にReleaseされる予定の Mahara 15.10 についての, 主要な開発者による紹介の招待講演. 自然で待望の進化が多くある.
    • Bootstrap の導入による responsive design の強化と skin の入れ替え
    • 個人ユーザばかりでなく, ユーザ集団が1個のjournalを共有できる group journal, institution journal, site journal の導入
    • 管理者がページの初期状態を変更できる (site-wide) page template の導入
    • feedback への tree 構造の導入
  • MOOCsとLearning Analytics」 世界のMOOCsの現状, Regional MOOC の1つである JMOOC の現状, 放送大学の現状などについての招待講演.
  • 「SECIモデルとeポートフォリオリテラシースキルを用いた授業設計」 F-LECCSのMaharaを利用した, 仁愛女子短期大学の2科目における Moodle と Mahara を用いた実践の紹介
  • ポートフォリオリテラシーの育成とダッシュボードの設計」 山梨大学の実践の報告. 2013年度に全学的に導入されたMaharaの運用状況. OPPA=One Page Portfolio Assesment という山梨大学で開発され受容されてきた紙ベースのポートフォリオを, Maharaのページとして実現している他, 学生の利用を増やすために, 教職ポートフォリオを包含し, また8大学連携事業で生成されるプレースメントの成績を示す個票のようなカルテ的な情報をPDFとして飛ぶノートでMaharaに配布する, ことなどを行っている. これを通じて, 学生の学習コミュニティを活性化するなどのポートフォリオの本来の目的を実現しようとしている.
  • 通信制大学における学修活動理解の試み」 放送大学における Mahara を利用した1科目での, 学習者の利用データの分析の報告.
  • 「PBLにおけるMaharaの利用 -ペーパーレスを目指したピア評価システム-」 藤田衛生保健大学において, 1科目のPBLのピア評価の結果を飛ぶノートとMaharaで学生に返却する実践の紹介と, 相互評価のデータの分析.
  • 「プレゼンテーション学習におけるルーブリックのピア評価について 〜2,361件データに対する分析〜」 山口東京理科大学において, Moodle の小テストを利用して物理実験のプレゼンテーションのルーブリック相互評価を行った実践の紹介と, 相互評価データの分析の報告.
  • 「マハラン・コネクション〜MaharaとLMSを接続する」 全学的に Mahara が導入され, 各部局の要求に応じたMaharaのページテンプレートを作成して運用してきている広島大学で開発されたプラグインの紹介. Maharaへのエビデンスの集積を容易にするために, LMSであるBlackboardに提出されたレポート課題へのリンクをMahara上に作成するためのプラグイン.
  • 複数システムで一貫した用語を使用する手法の提案 -Mahara, Moodle, Sakai CLEによる共通翻訳メモリ-」 学習者が混乱しないように, 複数のLMS, ePortfolio のUI, help の翻訳で用語を統一し, それを deployする手法についての報告. 整備された用語集をテストする段階.
  • パネルディスカッション「高等教育で全学的にMaharaを利用する意義と課題」 Maharaを2013年から導入した九州大学, 2015年から導入した徳島大学の事例が報告された. 両者は, 競争的資金の導入を機会とし, 全学の教育センター的な組織が各学部の教員と連携・アドバイスしつつ, 1年生から新しい教育プログラムを導入してeポートフォリオの使用を開始するという点で共通する.
    • 九州大学の事例では, 複数教員が同一内容で複数クラスを担当する初年次の科目において, ティーチングポートフォリオを作成して情報共有するところから利用を始めている.
    • 徳島大学の事例では, 初年次教育の教科書を新たに作成し, 既存の学部学科の初年次プログラムにその要素を追加してもらう, 授業後の振り返りなどいくつかの要素はすべての教員学生に要求するが, 手段はeポートフォリオに限定していない.

総合演習企業研究プレゼンテーションの実施

樋口が担当している龍谷大学理工学部数理情報学科3年前期必修科目総合演習のイベントとして, 企業研究プレゼンテーションを行いました. 約80名の3年生が, ePortfolio Mahara などを用いて進めてきた, 自分のキャリアプランの検討結果と, 研究対象企業の事業, 経営, 雇用などの分析結果の発表を行いました. 樋口を含め4名の教員が評価を担当しました.

2015-09-25金3には, 総合演習の最終回として, リフレクションを行う予定です.

総合演習で企業研究プレゼンテーション - 樋口三郎の授業情報@龍谷大学理工学部数理情報学科

manaba course で学生のポートフォリオに教員がテキストやファイルを送り込むにはレポート一括代理提出機能

要するに何が言いたいの? in 2016-04

Manaba course に内包される各学生のポートフォリオに, 教員が一斉に強制的に(学生個別の)テキストや文書を送り込むには, レポート一括代理提出機能を使えばいい.

http://www2.chuo-u.ac.jp/com/manaba/manual-course2.83-teacher-ja.pdf

レポートを学生がアップロードする代わりに, 教員が紙で集めてスキャンして得たファイルを各学生が提出したことにする, のが本来の使い方だが, 添削した紙レポートのスキャンを返却する, 教員が学生別の成績表を配布する, などにも使える. さらに, 他の学生にも閲覧可/不可に設定したり, コメントを交換したりすることもできる.

使用例はこれ

追記(2017-05-21)

Moodleでも似たようなことはできる*1*2

以下の内容は古くなったが残してある.

要するに何が言いたいの?

Manaba course に内包される各学生のポートフォリオに, 教員が一斉に強制的に(学生個別の)テキストや文書を送り込むのは難しい… が, やるならこう?

ポートフォリオ活動における教員のおせっかい活動

学生のリフレクションを促すポートフォリオ活動においては, 学生が主体的にエビデンスを収集し, 学生が各自の目的に基づいて主体的にポートフォリオとしてまとめる, というのが望ましい最終的な形である.

しかし, 途中段階においては

  • (エビデンス)教員が各学習者の学習のエビデンスを直接各学習者のポートフォリオに送り込む(例:マーク済みルーブリック, 採点済み答案, 学生のレポートなどを一斉に光学スキャンしたもの, レポートに教員がコメントを書き込んだもの)
  • (テンプレート)教員が掲載すべきエビデンスのリストやレイアウトをあらかじめ示したページテンプレートや, 学生が編集不可能であとはエビデンスをはめ込むだけの定型ページを直接各学習者のポートフォリオに送り込む

ことを行う誘惑は強い. もちろん, ポートフォリオと別のところでエビデンスやテンプレートを配布して, 「これをアップロードして使ってね」ということはできるのだが, もう少し強く学生の活動をコントロールしたくなる状況がある*3. 実際, オープンソースのeポートフォリオのMahara では, これを可能にするプラグイン作成や改造が多く行われている.

Manaba course に内包されたポートフォリオ機能

商用のLMS+eポートフォリオのペアとして, Manaba course + Manaba folio がある. LMSであるManaba course には, 最小限のポートフォリオ機能(各科目の教員が定めた提出物が1か所に集積され, 相互閲覧・コメントを可能にできる)がある. Manaba course のポートフォリオ機能は, 学生が自分の判断でエビデンスをアップロードすることはできない*4(追記2015-09-07*5 )という意味で, ポートフォリオのミニチュアのようなものである. では, Manaba course のポートフォリオ機能ににおいて, 教員が各学生のポートフォリオに直接エビデンスをテキストやファイルとして送り込むことはできるか? 以下は, 2015-04時点のシステムで, デフォルト設定で(?), コース教員の権限だけでできる範囲の話.

(2015-09-04追記) 追加モジュールでできる

このような機能は, 文書化はされていないが, 追加モジュール(少なくとも現時点では無料)として提供されているそう. 使えない方は, サイトの方針で有効化されていない可能性もあるので, サイト管理者に相談してみるといいかも.

このことは, この記事を読まれたらしい朝日ネットの方が会合で声をかけてきて教えてくださった*6. 大感謝です. 以下は, これで意味なくなった部分もありますが, 加筆修正はしていません.

(2015-10-30追記) その名は 「レポート一括代理提出」(?)

健康診断の結果のパスワード付きPDFをこの機能で返却しているという事例をうかがった.

そこの大学というわけではないけど, マニュアル. http://www2.chuo-u.ac.jp/com/manaba/manual-course2.83-teacher-ja.pdf

このような文書化されていない機能, 価格が明示されていない機能は多くあり, 使用者が希望と予算を出すことによって, 次々に追加されているものらしい. 長期的には, バージョンアップ後もこれらすべての追加機能のメンテナンスが続けられるのかどうかは気になるところ.

レポートへのフィードバックとしてテキストや添付ファイルを送り込む

教員が設定したレポート課題に対して学生が提出したとき, これに教員がコメントする機能, コメントにファイルを添付する機能があるので, これを通じてテキストやファイルを送り込める.

欠点 or ないものねだり

  • 課題を提出していない学生には, コメントもファイル添付もできない. したがって, コメントと添付ファイルを返す専用の課題としての運用*7はできない.
  • テキストによるコメントは, 1個のExcelワークシートに全員分を書き込んでアップロードすることができるので自動化の余地がある*8
  • 添付ファイルについては, WebページのHTMLエディタから1人ずつ手動で添付する必要があるので, 自動化が難しそう.

回避策

この記事の趣旨を否定するようなことを言い出すが, Manaba course とは別に各学生にファイルを渡すためのWebシステムを運用し*9「ここからファイルをダウンロードして, このレポート課題に提出しておいてね」と言うことは可能. 機械の奴隷感は否めないが. 「Manabaのポートフォリオ機能で蓄積していくと後で使えるし, 相互コメント機能でコメントもらえて学習できるから. 手間かかっても手動で移そうよ」という正論で説得してはどうかと*10.

ページのテンプレートを送り込む

ページのレイアウトというものが元々存在しない. 科目順. 課題順に並ぶだけ. 一方, 掲載すべきエビデンスのリストは, ポートフォリオに送るレポート課題として完全に指定できる.

*1:Moodle(3.1以降?)でも, 教員が学生のかわりに提出ファイルをアップロードすることができます. デフォルトではどの role にも与えられていない capability assign:editothersubmission が必要です, ファイルを1個ずつに手作業でアップロードすることになります. 一方, Moodle では教員がファイルでフィードバックを返すことができます(典型的には, 学生が提出したWordの文書ファイルに校閲機能で加筆するみたいなことですね)が, このフィードバックファイルは, まとめてzipファイルとしてアップロードすることができます. 課題モジュールの「複数フィードバックファイルをZIPでアップロードする」

*2:Moodle 2.8以下では, 学生の提出したファイルへの加筆と見なされるようなファイルしかこの方法ではアップロードできず, 自由な構成のファイル群をアップロードするにはやはりWebページから手動で行う必要があった

*3:「そんなことするならLMSでいいんじゃない?」

*4:教員が「何でもアップロードしていいレポート」を1個設定するたびにファイル1個をアップロードが可能になる, という策しかない

*5:聞いたところによると, 2015年になってから, 学生が任意のファイルをアップロードし, 公開を選択することのできる, マイコレクションという機能が提供されたとのこと

*6:書いた甲斐があった+金髪にしている甲斐があった?

*7:Moodle 2.x以前でいうオフライン課題のようなもの

*8:Moodleでいうオフライン評定ワークシートに似ている

*9:樋口は Mahara 用にこの手

*10:Maharaのようなオープンソースのシステムだったら, 学生を機械の奴隷から解放するために, 教員がシステムを改造するという誘惑がある.

学修支援・教育開発センター指定プロジェクト報告会に参加

樋口がFD企画推進委員をさせていただいている学修支援・教育開発センター2014年度指定研究プロジェクト の報告会に参加してきました. 乱暴にいえば, IR, ラーニングコモンズ, ポートフォリオ+授業アンケートの3プロジェクトです. 樋口はポートフォリオ+授業アンケートのメンバーで, この関係でmanabaセミナーに参加したりしていたのでした.