要するに何が言いたいの? in 2016-04
Manaba course に内包される各学生のポートフォリオに, 教員が一斉に強制的に(学生個別の)テキストや文書を送り込むには, レポート一括代理提出機能を使えばいい.
http://www2.chuo-u.ac.jp/com/manaba/manual-course2.83-teacher-ja.pdf
レポートを学生がアップロードする代わりに, 教員が紙で集めてスキャンして得たファイルを各学生が提出したことにする, のが本来の使い方だが, 添削した紙レポートのスキャンを返却する, 教員が学生別の成績表を配布する, などにも使える. さらに, 他の学生にも閲覧可/不可に設定したり, コメントを交換したりすることもできる.
使用例はこれ
追記(2017-05-21)
Moodleでも似たようなことはできる*1*2
以下の内容は古くなったが残してある.
要するに何が言いたいの?
Manaba course に内包される各学生のポートフォリオに, 教員が一斉に強制的に(学生個別の)テキストや文書を送り込むのは難しい… が, やるならこう?
ポートフォリオ活動における教員のおせっかい活動
学生のリフレクションを促すポートフォリオ活動においては, 学生が主体的にエビデンスを収集し, 学生が各自の目的に基づいて主体的にポートフォリオとしてまとめる, というのが望ましい最終的な形である.
しかし, 途中段階においては
- (エビデンス)教員が各学習者の学習のエビデンスを直接各学習者のポートフォリオに送り込む(例:マーク済みルーブリック, 採点済み答案, 学生のレポートなどを一斉に光学スキャンしたもの, レポートに教員がコメントを書き込んだもの)
- (テンプレート)教員が掲載すべきエビデンスのリストやレイアウトをあらかじめ示したページテンプレートや, 学生が編集不可能であとはエビデンスをはめ込むだけの定型ページを直接各学習者のポートフォリオに送り込む
ことを行う誘惑は強い. もちろん, ポートフォリオと別のところでエビデンスやテンプレートを配布して, 「これをアップロードして使ってね」ということはできるのだが, もう少し強く学生の活動をコントロールしたくなる状況がある*3. 実際, オープンソースのeポートフォリオのMahara では, これを可能にするプラグイン作成や改造が多く行われている.
Manaba course に内包されたポートフォリオ機能
商用のLMS+eポートフォリオのペアとして, Manaba course + Manaba folio がある. LMSであるManaba course には, 最小限のポートフォリオ機能(各科目の教員が定めた提出物が1か所に集積され, 相互閲覧・コメントを可能にできる)がある. Manaba course のポートフォリオ機能は, 学生が自分の判断でエビデンスをアップロードすることはできない*4(追記2015-09-07*5 )という意味で, ポートフォリオのミニチュアのようなものである. では, Manaba course のポートフォリオ機能ににおいて, 教員が各学生のポートフォリオに直接エビデンスをテキストやファイルとして送り込むことはできるか? 以下は, 2015-04時点のシステムで, デフォルト設定で(?), コース教員の権限だけでできる範囲の話.
(2015-09-04追記) 追加モジュールでできる
このような機能は, 文書化はされていないが, 追加モジュール(少なくとも現時点では無料)として提供されているそう. 使えない方は, サイトの方針で有効化されていない可能性もあるので, サイト管理者に相談してみるといいかも.
このことは, この記事を読まれたらしい朝日ネットの方が会合で声をかけてきて教えてくださった*6. 大感謝です. 以下は, これで意味なくなった部分もありますが, 加筆修正はしていません.
(2015-10-30追記) その名は 「レポート一括代理提出」(?)
健康診断の結果のパスワード付きPDFをこの機能で返却しているという事例をうかがった.
そこの大学というわけではないけど, マニュアル.
http://www2.chuo-u.ac.jp/com/manaba/manual-course2.83-teacher-ja.pdf
このような文書化されていない機能, 価格が明示されていない機能は多くあり, 使用者が希望と予算を出すことによって, 次々に追加されているものらしい. 長期的には, バージョンアップ後もこれらすべての追加機能のメンテナンスが続けられるのかどうかは気になるところ.
レポートへのフィードバックとしてテキストや添付ファイルを送り込む
教員が設定したレポート課題に対して学生が提出したとき, これに教員がコメントする機能, コメントにファイルを添付する機能があるので, これを通じてテキストやファイルを送り込める.
欠点 or ないものねだり
- 課題を提出していない学生には, コメントもファイル添付もできない. したがって, コメントと添付ファイルを返す専用の課題としての運用*7はできない.
- テキストによるコメントは, 1個のExcelワークシートに全員分を書き込んでアップロードすることができるので自動化の余地がある*8
- 添付ファイルについては, WebページのHTMLエディタから1人ずつ手動で添付する必要があるので, 自動化が難しそう.
回避策
この記事の趣旨を否定するようなことを言い出すが, Manaba course とは別に各学生にファイルを渡すためのWebシステムを運用し*9「ここからファイルをダウンロードして, このレポート課題に提出しておいてね」と言うことは可能. 機械の奴隷感は否めないが. 「Manabaのポートフォリオ機能で蓄積していくと後で使えるし, 相互コメント機能でコメントもらえて学習できるから. 手間かかっても手動で移そうよ」という正論で説得してはどうかと*10.
ページのテンプレートを送り込む
ページのレイアウトというものが元々存在しない. 科目順. 課題順に並ぶだけ. 一方, 掲載すべきエビデンスのリストは, ポートフォリオに送るレポート課題として完全に指定できる.