樋口三郎の授業情報@龍谷大学先端理工学部数理・情報科学課程

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MOF2015 Chiba = Mahara Open Forum 2015 at 放送大学 参加レポート

学修支援・教育開発センター2015年度指定研究プロジェクトの任務として, Mahara と ePortfolio の会議, Mahara Open Forum 2015 (2015-10-10,11)に参加させていただいた. 龍谷大学では, 学部別, 教職やキャリアや留学などの目的別, 教員・科目レベルのポートフォリオはいくつか導入されているが, 全学レベルの包括的な学生ポートフォリオは未導入なので, 情報収集してこいという指令.

eport.f-leccs.jp

プロシーディングズ講演の動画も一般公開されているので, ここで要約を再生産することにはあまり意味がないのだが, 樋口の理解したところではこんな講演.

  • 「Mahara15.10について」 2015年10月後半にReleaseされる予定の Mahara 15.10 についての, 主要な開発者による紹介の招待講演. 自然で待望の進化が多くある.
    • Bootstrap の導入による responsive design の強化と skin の入れ替え
    • 個人ユーザばかりでなく, ユーザ集団が1個のjournalを共有できる group journal, institution journal, site journal の導入
    • 管理者がページの初期状態を変更できる (site-wide) page template の導入
    • feedback への tree 構造の導入
  • MOOCsとLearning Analytics」 世界のMOOCsの現状, Regional MOOC の1つである JMOOC の現状, 放送大学の現状などについての招待講演.
  • 「SECIモデルとeポートフォリオリテラシースキルを用いた授業設計」 F-LECCSのMaharaを利用した, 仁愛女子短期大学の2科目における Moodle と Mahara を用いた実践の紹介
  • ポートフォリオリテラシーの育成とダッシュボードの設計」 山梨大学の実践の報告. 2013年度に全学的に導入されたMaharaの運用状況. OPPA=One Page Portfolio Assesment という山梨大学で開発され受容されてきた紙ベースのポートフォリオを, Maharaのページとして実現している他, 学生の利用を増やすために, 教職ポートフォリオを包含し, また8大学連携事業で生成されるプレースメントの成績を示す個票のようなカルテ的な情報をPDFとして飛ぶノートでMaharaに配布する, ことなどを行っている. これを通じて, 学生の学習コミュニティを活性化するなどのポートフォリオの本来の目的を実現しようとしている.
  • 通信制大学における学修活動理解の試み」 放送大学における Mahara を利用した1科目での, 学習者の利用データの分析の報告.
  • 「PBLにおけるMaharaの利用 -ペーパーレスを目指したピア評価システム-」 藤田衛生保健大学において, 1科目のPBLのピア評価の結果を飛ぶノートとMaharaで学生に返却する実践の紹介と, 相互評価のデータの分析.
  • 「プレゼンテーション学習におけるルーブリックのピア評価について 〜2,361件データに対する分析〜」 山口東京理科大学において, Moodle の小テストを利用して物理実験のプレゼンテーションのルーブリック相互評価を行った実践の紹介と, 相互評価データの分析の報告.
  • 「マハラン・コネクション〜MaharaとLMSを接続する」 全学的に Mahara が導入され, 各部局の要求に応じたMaharaのページテンプレートを作成して運用してきている広島大学で開発されたプラグインの紹介. Maharaへのエビデンスの集積を容易にするために, LMSであるBlackboardに提出されたレポート課題へのリンクをMahara上に作成するためのプラグイン.
  • 複数システムで一貫した用語を使用する手法の提案 -Mahara, Moodle, Sakai CLEによる共通翻訳メモリ-」 学習者が混乱しないように, 複数のLMS, ePortfolio のUI, help の翻訳で用語を統一し, それを deployする手法についての報告. 整備された用語集をテストする段階.
  • パネルディスカッション「高等教育で全学的にMaharaを利用する意義と課題」 Maharaを2013年から導入した九州大学, 2015年から導入した徳島大学の事例が報告された. 両者は, 競争的資金の導入を機会とし, 全学の教育センター的な組織が各学部の教員と連携・アドバイスしつつ, 1年生から新しい教育プログラムを導入してeポートフォリオの使用を開始するという点で共通する.
    • 九州大学の事例では, 複数教員が同一内容で複数クラスを担当する初年次の科目において, ティーチングポートフォリオを作成して情報共有するところから利用を始めている.
    • 徳島大学の事例では, 初年次教育の教科書を新たに作成し, 既存の学部学科の初年次プログラムにその要素を追加してもらう, 授業後の振り返りなどいくつかの要素はすべての教員学生に要求するが, 手段はeポートフォリオに限定していない.