樋口三郎の授業情報@龍谷大学先端理工学部数理・情報科学課程

樋口三郎の授業情報@龍谷大学先端理工学部数理・情報科学課程

eラーニングシステムをアーカイブとして使う?

情報メディアセンターの運用する, 龍谷大学eラーニングシステムReLSはオープンソースのLMSであるMoodle 1.9で構築されている. 運用は年度ごとで, 4月に新規に, または過去のコースバックアップから, その年度の科目用のコースを(情報メディアセンターに頼んで)作ってもらう, というのが基本.

したがって, eラーニングシステムを, 毎年メンバーが入れ替わりながら活動を続ける研究室/ゼミのグループウェア/アーカイブとして利用するのは難しいと思っていた. なぜなら,

  • 科目のリストアの際には, アクティビティやリソースはリストアされるが, ユーザデータはリストアされないので, 前年度の受講者のフォーラム投稿やアップロードされた卒業論文は残らない.
  • 卒業すると全学統合認証IDが無効になるから, その人たちの投稿/アップロードファイルのオーナーがどうなるのかわからない

最近気づいたのだが, 年度更新の際に, 情報メディアセンターに「コース新設でなくコース継続で」と頼むと, ユーザデータも残してもらえる(というか, バックアップ-消去-リストアしないのだと思う). その場合, 卒業した学生もコースの受講者として残り, 彼らがオーナーのユーザデータも普通に表示される(外部認証用のLDAPサーバからは消去されるが, Moodleのユーザの内部データベースからは消去されないからこうなのだろう). これなら, 研究室/ゼミのアーカイブとして利用できる.

ただし, 明文化された運用規定も, 無尽蔵なディスクもないので, このような運用がいつまで続くかはわからない. また, 卒業後の学生(すぐ大学院に入学してきたとしても)は受講者ではあるがログインできない, したがって自分のユーザデータにはアクセスできないということにかわりはない.

本来は, 卒業後もアクセスできる(あるいはそこからコンテンツをエクスポートできる)eポートフォリオと連携するというのがまっとうな行き方だろう. 卒業生とのICT的連携のひとつのやり方としてありうる. eポートフォリオのアカウントを配れば, 有効なeメールアドレスをマイプロファイルに継続的に登録してもらえるかも(甘いか).

ということで, 自前のMaharaの実験中. Maharaなら, 卒業生を含むSNS的運用もできそう. 情報メディアセンターのMoodleがこちらにSSOしてくれるってことはなさそうだが. 2.3でのMoodle Network後継機能がどうなるかにもよる.