2011-11-20 日 に, 初めて実施される統計検定 http://www.toukei-kentei.jp/ の2級を(団体でない一般向けの)関西大学会場で受験してきた. ちなみにこの日は, 簿記検定や実用フランス語検定も同じキャンパス内でやっていたが, 受験者数だけから言えば, 統計検定は群を抜いたマイナー検定だったということになるだろう. 統計検定の受験者数は http://www.toukei-kentei.jp/result/ で公表されているが, 受験した教室では, 2級39名, 専門統計調査士5名の席があり, 出席率は7割程度, 受験者層としては大学生中心だったように思う.
統計検定というネーミングも興味深いが, テスト理論は統計学と関係が深い(たとえば人文・社会科学の統計学 (基礎統計学)の第12章)ということで, 統計学の専門家がどんな理想的テストを設計してくるのか興味深いところだった. サンプル問題どおり多肢選択問題のみだったが, 計算力なども測定できる十分難しい問だった.
範囲に関して言えば, 2級は大学基礎科目程度の統計学とのことだが, 大学基礎科目(いわゆる教養科目のことか?)でどの程度の統計学を学ぶのが「普通」かも自明ではない. 9月の日本テスト学会で, 設計と実施の準備についての講演も聴かせていただいたが, (高校数学の範囲外では)用語などが世の中で十分には統一されていないなど, ご苦労が多いようだった.
サンプル問題は事前に公開されたが, 公認テキスト・参考書の出版や指定は行われなかった. 受験者の中にもニの足を踏んだ人も多かっただろう. これによる受験者獲得, テキスト売上両方での機会損失は大きかったと思う. 実際, 受験者の持参しているテキストは難易さまざまだった. すべての問をカバーするには統計学入門 (基礎統計学)くらいは必要だったのでは(合格するだけならもっと易しいものでいいだろうが).
次回の試験の日程, 1級の仕様, 各級の公認テキストなどの情報が待たれる.

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龍谷大学理工学部数理情報学科では, この方向に向かう科目として, 2,3年次に確率統計・演習I/IIがある. また, 1年次から利用できるeラーニング教材としてリメディアルコース統計学Iがある.