樋口三郎の授業情報@龍谷大学理工学部数理情報学科

授業情報@龍谷大学理工学部数理情報学科

計算機実習室でWeb/ファイル非参照テスト(CBT) using Safe Exam Browser + Moodle

2017年4月から, 龍谷大学瀬田学舎情報メディアセンターの実習室にインストールされているWindows 用アプリ Safe Exam Browser =SEB (2.1.3)の説明です. 紙やWeb(Moodle)で出題した問題で, Moodleに解答入力してもらう, ただし解答入力以外のコンピュータの使用を禁止する, ような定期試験に使います.

機能

SEBはWebブラウザですが, ユーザがMoodleに接続し小テスト(Quiz)の受験を開始した後は, (適切に設定してあると)コンピュータのスクリーン全体を占有し, 選択肢選択, テキスト入力など, Quiz受験に必須なもの以外のすべての操作をトラップし*1, ローカルファイルやWebの参照やローカルアプリの実行をできなくします. すなわち, Safe Exam Browser=SEB は, LMSで非参照試験を行うための, テスト専用Webブラウザです. LMS Moodle (情報メディアセンターでも運用しています)では, 特定の小テスト(Quiz)を, SEB経由でしか受験できないように設定できます.

使用方法(学生向け)

計算機実習室で小テストを受験するのに, ChromeなどのブラウザでMoodleにログインして小テストのアイコンをクリックするのではなく, 教員から何らかの方法で提供される, *.seb というファイルをダブルクリックします. Safe Exam Browser が起動し, 現れるログインページでMoodleにログインし, スクリーンの指示に従います. 受験を完了した後は, 電源ボタンのようなアイコンでデスクトップに戻ります.

使用方法(教員向け)

  1. Moodleで小テストを作ります. 小テスト管理>受験に関する特別制限>ブラウザセキュリティ で「Safe Exam Browserの使用を必要とする」を選びます*2. URLをメモします.
  2. 教材作成室または計算機実習室の SEB Config Tool *3で, *.seb ファイルを作ります. 最低限必要な設定は, 次です*4.
    1. パスワード(ファイルを暗号化するためのもので, 後で教員が編集する際に必要. 学生には無関係)
    2. 上でメモした小テストのURL
  3. 試験時間に, 学生に *.seb ファイルを配布します. 例えば, Moodle 上や Rドライブで.

使用方法(管理者向け)

計算機実習室では, すでに設定済みなので一般学生・教員が気にすることはありませんが, たぶん, 次のようなことをされたのだと思います. 1. SEBSEB Config Tool に対になる暗号鍵を組み込む. 1. SEBSEB Config Tool をインストールするのはもちろん, SEBと連携して(Control-Alt-Deleteを禁止ししたりする)サービスをインストールして常時起動する.

計算機実習室でカジュアルな CBT=Computer Based Test を実施するには(長いです)

試験の解答方式には, (1)多肢選択, (2)語句記述, (3)文章記述, (4)数値記述, (5)数式記述, (6)描画 (7)プログラム作成などがあります. 定期試験などでは, ふつうはこれらを紙に筆記用具で解答して提出します. (1)-(4)は, LMS(学習支援システム)が問題として出題でき, また多くの学生がタイプによる回答に困難を感じないものです. コンピュータに直接回答してもらったら, 紙はいらないし, そのままデータになります*5. なお, 問題文の提示はLMS上, 紙上, 黒板上のいずれでも行えます.

コンピュータへの回答してもらう上で, 障害になるのが参照条件です. 教科書ノート参照不可で試験をする場合, 通常は人間の試験監督が, この条件が守られていることを検証します. コンピュータを回答に使う場合, ローカルファイルの参照, ローカルアプリの使用, Webの参照, メールなどによるコミュニケーション*6の参照可否を決める必要がありますが, これらを禁止する場合, 本のような物理的実態がないため, 人間の試験監督が検証するのはより困難です*7. さらに, Web上で動作する LMSでは, 試験監督のいる試験場外からの受験を禁止する必要があります.

これらには次のような解決がありえますが, 設定・検証するのには労力が必要です.

  • ローカルファイルの参照の禁止は, 初期化された受験専用アカウントを使用することで実現できます.
  • ローカルアプリの使用, Webの参照, メールなどによるコミュニケーションは, ローカルPC上の授業支援ソフトウェア(CaLaboなど)を適切に設定すると禁止できる場合があります*8.
  • 試験場外からの受験は, MoodleなどのLMSの設定で, IPアドレスベースや, その場で与えるテスト専用パスワードで制限できることがあります.

これらを一括して, 別のレイヤーで解決する策として, テスト受験中はコンピュータの画面を占有し, 選択肢選択, テキスト入力以外のすべての操作をトラップするような, テスト受験専用ブラウザを利用するというものがあります*9. 上記SEBはその例です.

コンピュータを使ったプログラミングの試験, 製図の試験なども考えられます. この場合が, SEBはこのような場合にも利用できます*10.

*1:設定で範囲を指定できます. Control+Alt+Deleteも「無効」にします

*2:MoodleMoodle plugins directory: Safe Exam Browser quiz access ruleがインストールされていると, Allowed Browser Exam Keyを指定して, より安全な設定ができます

*3:自分で別の場所にインストールしたものではだめです. 計算機実習室の SEB, SEB Config Tool には, 対になった暗号鍵が組み込まれています.

*4:学内の方は, 個人的にご連絡くださればサンプルファイルをお渡しします

*5:場合によっては自動採点もできます.

*6:今となってはWebの参照との区別の境目はあいまいです

*7:ログから事後に検証できることはあります.

*8:CaLaboでには, URLのホワイトリスト, ブラックリストを設定できます

*9:Moodle本体だけでも, 小テスト管理>受験に関する特別制限>ブラウザセキュリティ で「JavaScriptセキュリティを含むフルスクリーンポップアップを必要とする」である程度の対策ができます

*10: (5)-(6) は単純なタイプでなく, 作成・検証する専用のソフトウェアを実行し, 場合によってはファイルアップロードで回答するほうが普通でしょう. 授業支援ソフトウェア, SEBは, これらのうち特定のものだけを禁止・許可することができます.