樋口三郎の授業情報@龍谷大学先端理工学部数理・情報科学課程

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連成振動を基準座標の方法で解くときって初期条件から積分定数決めるの面倒じゃない?

試験近づく

ファイナルトライアルで, プチテストの範囲だった2物体の連成振動の固有モード/基準座標を再出題する, と宣言したのと関係あるのかどうか, プチテストの問9(基準座標)について学生さんが質問しに来てくれました. 解法は問題なくて, いかに初期条件から積分定数を楽に求めるか, という話です.

プチテスト再考

問9では, 変位x_1(t),x_2(t), 基準座標X_1(t)=A_1¥cos(¥omega_1 t-¥theta_1),X_2(t)=A_2¥cos(¥omega_2 t-¥theta_2)とそれぞれ2つあります. プチテストの時に多く見られた解答は, x_i(t)X_i(t)の式として書くと, x_i(t)の初期条件はA_i,¥theta_iの4元連立方程式なので, それを解いて求め, x_i(t)の式に代入するというものでした.



より楽な方法

より楽なのはこういう方法です. x_i(0),x’_i(0)から基準座標の定義を使ってX_i(0),X’_i(0)を求めます. これがX_iの初期条件だと思って, «2組の2元連立方程式を解いて»A_i,¥theta_iを決めます. 最後に, これをx_i(t)の式に代入します. これだと, 4個の式が必ず2+2に分離されて2元が2個になります.

という話でした.

積分定数の決め方

«2組の2元連立方程式を解いて»のところではL12でお話しした. 直交座標-極座標変換だと思う, とか, X_i(t)を加法定理で書き替えて¥sin,¥cosの係数を決めるだけにする, という手があるわけですね.

お節介

去年のファイナルトライアル問題だけすごい勉強してくる人いるけど, 出題傾向は着実に変化します. どう変化するかというと, L13に書いてあるように. この出題計画を見て, 必要なところだけ去年の問題を参考にするのがいいんじゃないかなあ

振動・波動 (裳華房テキストシリーズ―物理学)

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